肺癌とたばこ
毒素・害
タバコの煙には4000種以上の化学物質が含まれ、このうち約200種が有害物質、60~70種が発癌性物質と言われます。その中でも特に害をもたらすのが、ニコチン、タール、一酸化炭素です。ニコチンなどの有害成分は、肺に吸い込まれる主流煙より、タバコの先端から立ち上る副流煙に多く含まれます。
ニコチンは、気道刺激作用、血管収縮作用があり、依存形成作用を持ちます。毒性が強く、吸収されやすいため、依存度が高くなります。心理的依存を誘発させる作用は違法物質と同等ですが、幻覚などを起こさないためその害が軽視されています。
ニコチンは、コカインやモルヒネ、トリカブトに含まれるアコニチンという猛毒と同じアルカノイドの一種です。ニコチンの影響は脳の広い範囲に影響し、特に脳を覚醒、集中力を高める作用のあるドーパミン神経系がニコチン依存の形成に重要な役割を果たします。
高揚した気分を沈めるなどの快楽感覚を伝達するため、ニコチンが減少すればそれを補おうとするため、喫煙行為が続きます。ニコチンの致死量は、成人で紙巻きたばこ2本分に相当する50~60mg、乳幼児であれば1本に相当する10~20mgと言われます。
タールは、たばこのフィルターに付着する茶色いヤニです。車の排気ガスに含まれるベンツピレン、カドニュームなどの発癌性物質が含まれます。
一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結合しやすく、酸素運搬機能を阻害します。そのため、一酸化炭素が体内に充満し、全身的な酸欠状態になります。ヘモグロビンと一酸化炭素が結合すると、カルボキシヘモグロビンが組成されます。
体内でカルボキシヘモグロビンの濃度が上昇すると、息切れを起こしやすくなります。また、体内が酸欠になると、心臓は多くの血液を送り出すため、血圧の上昇、血流の速度も増します。