肺と肺癌

肺癌転移 症状

転移性肺癌は、かなり大きくなるまで症状が出ないことが多く、胃癌、乳癌など原発腫瘍の違いによって、肺への転移の仕方にも特徴があります。転移性肺癌の主な症状に、1週間しても改善しない咳(腫瘍が肺野気管支を刺激して出る)、血痰(気管支を傷つけるため)、喘鳴(ぜーぜーした息:腫瘍が気管支を閉塞するため)、肺炎や気管支炎を起こしやすくなる、などがあります。

腎臓癌や胃癌などは肺門部に転移することが多く、気管支に浸潤します。気管支を傷つけるため血痰の原因や、気管支を閉塞することで肺炎・呼吸困難を起こします。甲状腺癌や骨肉腫は肺の末梢領域に転移することが多く、転移の個数が多くならないと呼吸困難などの症状を出さないことが多いようです。

転移性肺癌がろっ骨や肋間神経に刺激を与えると、持続する胸痛が、声帯運動を支配する反回神経を刺激すると、しわがれた声になる声枯れが起こります。大静脈を圧迫した場合、血液の戻りが悪くなり、首・顔のむくみ(上大静脈症候群)が起こります。

特殊なケースとして、肺表面の腫瘍が崩れ、肺内の空気が漏れだすことで気胸を発生したり、崩れた腫瘍細胞がろっ骨に囲まれている胸腔にこぼれ、腫瘍細胞が含まれる水が胸にたまる悪性胸水を起こすことがあり、強い呼吸困難を起こします。転移性肺癌以外の病気にもみられることですが、転移性肺癌が進行すると、食欲がなくなる、体重が減る、疲労感などの症状が出ます。

肺癌は脳、骨、肝臓、副腎に転移しやすく、転移した部分によってさまざまな症状を引き起こします。リンパ節に転移した場合、リンパ節を圧迫するため、咳や呼吸困難、上半身がむくむなどの症状が出ます。脳転移の場合、脳の転移部位によって、けいれん発作、神経麻痺、ふらつき、頭痛や吐き気など、さまざまな症状を起こします。骨転移の中でも、肺癌はろっ骨、胸椎、腰椎、骨盤、大腿骨に転移しやすく、骨の痛み、骨折を起こすほか、神経麻痺、喉の渇きの原因になります。