肺と肺癌

検査

肺癌検査の目的は、肺癌を確定する確定検査、どの程度進行しているかを確認する進行度検査、患者体の状態を調べる全身機能検査の3つがあります。肺癌を確定するためには、痰を採取し、どのような病的成分が含まれているか確認する喀痰細胞診、気管支鏡を挿入して気管支の状態を調べる気管支鏡検査、CT画像で確認しながら肺に針を刺して組織を採取するCTガイド下肺生検、外科手術によって直接肺の組織を採取する開胸肺生検などの検査が必要になります。

喀痰細胞診は、喫煙者で血痰や咳などの症状が続く場合、必要になる検査です。肺門型癌の早期発見の手段となり、気管支鏡検査による病変部位の検索が必要になります。気管支鏡検査は、胃カメラと似た検査法で、可視範囲内の観察と肺野型肺癌の確定診断が目的です。方法は、気管から両側の肺の気管支に気管支鏡を挿入します。

CTガイド下肺生検は、X線で確認しにくい場合や、気管支検査で肺癌の確定に至らなかった場合などが対象です。病変部の位置を確認し、生検針を挿入します。針の先端が腫瘍内であることをCTで確認してから組織採取する方法です。開胸肺生検は、全身麻酔の手術により、肺の部分切除を行い、組織診断する方法で、その手段として、胸腔鏡という技法があります。胸腔鏡により、患者の負担が少ない方法で診断がつくようになりました。

肺癌の進行度診断には、脳MRI、胸部CT、腹部CT・超音波、骨シンチグラフィ検査などが行われます。肺癌の血行性転移の標的臓器は、脳・肺・肝臓・骨・副腎です。これらの部位が検査対象となり、最近では、全身のPET検査も実施されるようになりました。

PET検査とは、「ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(陽電子放射線断層撮影)」といいます。癌細胞が正常細胞の3~8倍のブドウ糖を消費することを利用し、ブドウ糖に似た構造の薬剤を注射した後、PET装置で撮影、薬剤の集まり方を画像化・診断する方法です。患者の全身機能検査は、肺癌に対する治療が安全に行えるかを判断するための検査で、肺機能検査、心電図による心臓の状態の確認、そのほか合併症の有無や程度の評価が必要になります。