肺と肺癌
特徴
肺癌は、日本の癌の中で、最も死亡率が高い癌です。日本人の1年間の癌による死亡者約30万人のうち、3分の1が肺癌、胃癌による死亡です。肺癌の男女比は3対1と男性に多く、これは喫煙率が男性に高いためと考えられています。しかし、最近は女性の喫煙率が上がり、女性の肺癌罹患率も高くなっています。
癌の特徴は、周囲の正常細胞を癌細胞に変えてしまう浸潤と、癌細胞に侵されていない臓器に転移して増殖し続ける特徴があり、肺癌は遠隔転移となりやすいことがわかっています。遠隔転移とは、癌細胞が血液やリンパ液の流れに乗り、離れた臓器に転移することです。肺癌が遠隔転移するのは、脳、骨、肝臓など、血液が多く流れる臓器に見られます。また、反対にほかの臓器の癌が、血液やリンパ液の流れに乗り、肺に転移することもあります。
肺癌が転移しやすい理由として、肺は体の隅々まで酸素を行き渡す働きをしています。そのため血液による代謝頻度が高く、また、癌細胞は血液を新しく作り、より活性化してくため、肺癌の転移はより遠くの臓器まで及びます。肺癌の転移で一番多いのは、血液を流れて転移する、脳転移です。特に、頭蓋骨の下で脳を覆っている硬膜に転移します。
脳転移に次いで多いのが、骨転移です。癌細胞は、骨独特の新陳代謝を利用して増殖します。肺から転移した癌細胞は、体の中心付近の胸椎、ろっ骨、骨盤などの骨を壊す細胞に働きかけ、骨の壊れた部分に侵食して増殖します。